もう、12年前のお話。
わたしは中学2年生。
その夜はテスト勉強もあんまりせず布団に入って一人物思いにふける。
なぜか、部屋の模様替えをし、
ベッドではなく床に布団を引いて寝る。
うとうととした時だった。
床底から突き上げられるように大きく揺れた。
「あぁ、このまま宇宙へ連れ去れるんだ」
それが感想。
本当に飛んでいく感じがした。
落ちないように布団にしがみつく。
暫くすると嘘のような静寂が訪れる。
「あぁ、自分だけ残されたんだ。」
それが第二の感想。
とりあえず、外に出てみる。
静寂がうち破られ絶叫や悲鳴が聞こえる。
ゴゴゴという聞き慣れない音。
ゾロゾロと人がやって来る。
町を見下ろすとそこは闇の中。
屋根が漂っていた。
暫くすると火が上がり火事になった。
空が赤い夜が続いた。
朝が来るまでただ、じっと待った。
瓦礫と煙の中を中学校目指して進む。
「空襲のようだ。」
祖母の一言にタイムスリップした心地になる。
本当に戦争はしてはいけない。
今、目の前に広がる景色。
酷すぎる。
つかの間の友との再会。
全てを失った人。
助かった人。
無力な自分。
人の弱さ、汚さ、ずるさを知った。
人は美しいものではない。
生きようと、生き抜こうとする姿は醜い。
けれどそれでも踏ん張る強さ。
そんなことを学んだ。

残された人の役目。
自分に出来ること。
そして今の自分。

何も出来ていないんじゃないか。

自分に誇れる人間になりたい。

そう改めて思う今日このごろ。

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